PEファンド 国内主要プレイヤーまとめ

「PEファンドに興味があるけれど、どんなプレイヤーがいるのか分からない」
そんな方に向けて、本記事では国内PEファンド業界の全体像を、外資系・日系の視点でわかりやすく整理しています。

代表的なファンド社名とともに、それぞれの投資スタンスや強み、規模感の違いもあわせて解説。
PE業界を目指すうえでの基本情報が網羅されており、これからキャリアを考える方の“入り口”としてご活用いただけます。

1. PEファンドとは?|仕組みと投資スタイルの基本


PEファンド(プライベート・エクイティ・ファンド)とは、未上場企業や上場企業を買収し、経営改善や成長支援を通じて企業価値を高めた後、株式売却などでリターンを得る投資ファンドです。

本章では、PEファンドの役割や投資ステージの分類、といった特徴について解説します。

PEファンドの役割と仕組み


PEファンドの本質は、「資本」と「経営支援」の両輪で企業価値を向上させることにあります。
投資家(LP)から集めた資金をもとに、ファンド運営者(GP)が未上場企業や事業子会社を買収。経営陣と共に収益性向上やガバナンス強化、事業拡大などを進めたうえで、数年後に株式売却・IPO・第三者譲渡などの「エグジット」を目指します。

特に日本では、事業承継問題を抱える中小企業や非中核事業の売却を希望する大企業など、投資対象が多様化しており、ファンドの存在意義も高まっています。

投資ステージ別の分類(バイアウト・グロース・ターンアラウンド)


PEファンドと一口に言っても、その投資アプローチは多岐にわたります。代表的な分類は以下の通りです。

・ バイアウト(Buyout): 支配権を取得し、経営改革を通じて企業価値向上を目指す最も一般的な手法。多くのPEファンドがこのモデルを採用しています。
・ グロース(Growth): 成長途中の企業に少数株主として資本参加し、事業拡大を支援。スタートアップに近いフェーズも含みます。
・ ターンアラウンド(Turnaround): 業績が悪化した企業を再建することを目的とした投資。経営改善のハンズオン支援が求められます。

ファンドによって、どのステージを主戦場とするかは大きく異なり、転職や投資の検討においても重要な比較軸となります。

企業規模に応じて求められる支援内容や関わり方も変わるため、候補者としては、自身の志向やスキルセットに合うファンドを選ぶための重要な観点となります。

この章では、PEファンドの基礎と分類を押さえました。次のセクションでは、いよいよ日本国内の主要PEファンド社名を具体的にご紹介します。

2. 日本国内の主要PEファンド社名リスト(外資系・日系で分類)


日本のPEファンド市場には、海外の大手ファンドが参入している一方で、日本企業ならではの課題に対応する日系ファンドも数多く存在します。本章では、外資系と日系それぞれの主要プレーヤーを分類して紹介します。
投資スタンスや関与の深さ、文化なども異なるため、転職や提携を検討する際にはぜひ参考にしてください。

① 外資系PEファンド|グローバルネットワークと大型案件に強み


外資系ファンドは、豊富な資金力と国際的な実績を背景に、日本でも多数の買収・バイアウトを実施しています。特にラージキャップ領域や複雑なクロスボーダー案件、MBO・カーブアウト案件に強みがあります。

・ アポロ・グローバル・マネジメント(Apollo Global Management)
・ ウォーバーグ・ピンカス(Warburg Pincus)
・  EQTパートナーズ(EQT Partners)
・ Lキャタルトン(L Catterton)
・ MBKパートナーズ(MBK Partners)
・ オークツリー・キャピタル(Oaktree Capital)
・ KKR(コールバーグ・クラビス・ロバーツ)
・ ザ・カーライル・グループ(The Carlyle Group)
・ CVCキャピタル・パートナーズ(CVC Capital Partners)
・ TPGキャピタル(TPG Capital)
・ PAG(旧パシフィック・アライアンス・グループ)
・ ベインキャピタル(Bain Capital)
・ ブラックストーン・グループ(The Blackstone Group)
・ ローン・スター・ファンド(Lonestarfunds)


外資系ファンドは、報酬体系・カルチャーもグローバルスタンダードで、ファイナンススキルや英語力が求められるケースが多くなります。

② 日系PEファンド|中堅・中小企業支援と地域密着に強み


日系ファンドは、日本の企業文化や経営者の価値観を深く理解し、事業承継や成長支援、再生など多様なニーズに応えています。
投資規模は中堅〜中小企業が中心で、ハンズオン支援や地方企業へのアプローチに強みを持つファンドが多く存在します。

・ AZ-Star
・ アイ・シグマ・キャピタル
・ アスパラントグループ(Aspirant Group)
・ アント・キャピタル・パートナーズ
・ アドバンテッジ・パートナーズ(Advantage Partners)
・ インテグラル(Integral)
・ エンデバー・ユナイテッド
・ MCPパートナーズ
・ 刈田・アンド・カンパニー
・ キャス・キャピタル(CAS Capital)
・ クレアシオン・キャピタル
・ グロースパートナーズ
・ J-STAR
・ ジェイ・ウィル・パートナーズ(JWP)
・ ジャフコ グループ(JAFCO)
・ ジャパン・インダストリアル・ソリューションズ(JIS)
・ WMパートナーズ
・ ティーキャピタルパートナーズ
・ D Capital
・ 大和PIパートナーズ
・ 日本企業成長投資(NIC)
・ 日本産業推進機構(NSSK)
・ 日本産業パートナーズ(JIP)
・ 日本成長投資アライアンス(JGIA)
・ 日本投資ファンド(J-Fun)
・ ニューホライズン・キャピタル
・ 野村キャピタル・パートナーズ
・ PROSPER
・ ベーシック・キャピタル・マネジメント(Basic Capital Management)
・ ポラリス・キャピタル・グループ(Polaris Capital Group)
・ マーキュリアインベストメント(Mercuria)
・ 丸の内キャピタル
・ 雄渾キャピタル・パートナーズ
・ ユニゾン・キャピタル(Unison Capital)
・ ライジング・ジャパン・エクイティ


これらのファンドは、投資先企業との「共創」に重きを置くことが多く、戦略だけでなく人材育成やオペレーション支援にも深く関与するケースが目立ちます。

③ 外資系と日系ファンドの違いを理解するポイント


観点 外資系PEファンド 日系PEファンド
投資規模 数百億〜千億円規模も多数 数十億〜数百億円規模が中心
関与スタイル 経営陣との協働+ファイナンス主導 ハンズオン+経営改善支援に強み
キャリアパス グローバルでの転籍やキャリア構築も可能 国内での長期的な経営支援に関与
求められる資質 高い英語力、モデルスキル、スピード感 企業との信頼構築力、改善実行力

どちらのファンドにも明確な強みがあります。転職を検討する方は、自身のキャリアビジョンや支援したい企業像に合ったファンドを見極めることが重要です。

3. PEファンドへの入り口|まずはプレーヤー理解を深めよう


PEファンド業界を目指すうえで、最初の一歩は「どんなファンドが存在するのか」を知ることです。業界の地図を描くように、主要プレーヤーを把握することで、自分の志向やキャリアに合ったファンドを見つけやすくなります。

PEファンドは一見すると閉ざされた世界に見えるかもしれませんが、実はそれぞれのファンドが個性を持ち、投資スタイルや組織文化にも違いがあります。以下で、業界研究の入り口として「プレーヤーを知ることの重要性」と「効率的な情報収集の方法」について解説します。

① キャリア戦略の第一歩は「プレーヤーを知ること」


PEファンド業界におけるプレーヤーの把握は、業界構造と自身の適性をマッチさせるための戦略的行動です。

具体的に、社名を起点に以下のような情報を得ていくと、キャリア戦略に深みが出てきます。

・ 投資対象企業の規模感(Large / Mid / Small Cap)
 → 自分が関わりたい案件のスケールに合っているか

・ 投資ステージ(バイアウト・グロース・再生など)
 → ハンズオン志向か、ファイナンス主導型か

・ 外資系 or 日系などの企業カルチャー
 → グローバル志向か、地域密着型支援か

・ ファンドの出身者構成や社風
 → 自身のバックグラウンドとの親和性


各ファンドを知ることで、「このファンドの出身者はどんなキャリアを築いているか」「どのような投資先と組んでいるのか」といった、実践的なリサーチも可能になります。
結果として、面接対策や志望動機の構築にも説得力が生まれます。

② 迷ったらプロに相談するのも一手(エージェントや専門家の活用)


とはいえ、PEファンド業界は非公開性が高く、表に出てこない情報も多いのが実情です。社名や表面的な投資実績だけでは判断が難しい場合もあるでしょう。
そのようなときは、専門性の高い転職エージェントや業界に詳しいキャリアアドバイザーを活用するのも有効です。

特に以下のような方は、プロへの相談が有効です。

・ 転職を前提にしていないが、情報収集から始めたい人
・ 自分のキャリアがPE業界で通用するのか知りたい人
・ 外資・日系・投資ステージなど、選び方の軸に迷っている人
・ 志望ファンドがあるが、選考対策の準備が不安な人


エージェントを活用することで、非公開求人や実際の選考傾向、カルチャーの違いなど、ネットでは得にくい情報を得ることができます。
また、自分では気づいていない強みや、想定外のマッチングが見つかることも。

「まだ転職するかわからないけど、情報だけでも聞いてみたい」という段階でも問題ありません。
むしろ、早期からの情報収集こそが、PEファンド業界でのキャリア構築を成功させるカギになります。

このように、まずはプレーヤーを知ること、そして情報収集のための相談先を持つことが、PEファンド業界への入り口として非常に重要です。

4. まとめ


PEファンド業界を理解する第一歩は、主要なプレーヤーを知ることから始まります。
外資系・日系ファンドの違いや社名を把握することで、自分に合ったキャリアの方向性も見えてくるはずです。

ただし、実際にどのファンドが自分に合うのか、判断が難しいこともあるでしょう。
そんなときは、業界に精通したエージェントに相談するのも一つの手です。

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