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ArchesトレンドコラムVol.4 ICT搭載「街灯」がどう「スーパーシティ」を実現させるか

その他

サマリー

  • 生活全般にまたがる分野における先端的なサービスの提供、複数分野間でのデータ連携が重視される「スーパーシティ」構想の展開と共に、ICT利活用のあり方も大きく変わってきた。
  • 「リモート農業」を大きく推進するのICT機能を搭載した革新的な「街灯」モデルは、圃場管理や生産状況の可視化、トラクターの自律航行、害虫・害獣・盗難対策をリモートで行う新たな農業形態を実現する可能性を秘めるのだ。
  • 「スーパーシティ」実現に向けて、農業のみならず、ICT利活用が遅れている医療や教育分野においてもICT技術を活用した新規サービスの創出や事務効率化が目指される。

詳細

都市が抱える諸問題に対して、ICT等の新技術を活用することで全体最適化を図った「持続可能な都市」を目指して国が地域、事業者が一丸となって取り組む「スマートシティ」ならぬ「スーパーシティ」構想が現在掲げられる。従来ICT利活用が難航していた分野での新規サービスの創出や事務効率化を目的としたICT利活用の事例を見ていく。

スマートシティ構想は、地域が持つ個別の社会課題の解決や最適な運営の模索が核心にあったのに対して、スーパーシティ構想では、生活全般にまたがる分野における先端的なサービスの提供、複数分野間でのデータ連携が重視される。

スーパーシティ構想の展開と共にICT利活用のあり方も大きく変わってきた。2021年4月には国内のギガプライズ社とSecual社の両社が、持続的なシティの成長をサポートするため、「リモート農業」を大きく推進するの革新的な「街灯」モデルを共同で開発していくことが合意された。

「リモート農業」は、労働集約的であった営農をより快適にする新しい農業のスタイルである。圃場に設置されたICT機能を搭載した「街灯」が、農業用IoT機器との連携による圃場管理や生産状況の可視化、ドローンやトラクターの自律航行、害虫・害獣・盗難対策を自宅やオフィスからリモートで行う新たな農業形態を実現する可能性を秘めるのだ。

第一に、高い精度の位置情報データを伝達するRTKアンテナが搭載されたこの革新的な「街灯」を基準局に、農業用ドローンやロボット農機の高精度な自律航行が農作業の自動化・省人化に貢献する。

また、フルカラーLEDライトや動態感知カメラを活用することで、害虫・害獣対策や農作物の盗難防止が実現され得る。圃場の生産状況をリアルタイムで可視化することで自宅やオフィスから農業用IoT機器の制御や現地での農作業の依頼などができる新たなリモート営農支援システムも考えられる。

応用的に、「街灯」が温湿度、照度、水位などの環境データを取得することで、それらのデータを元に生産物の生育状況に合わせた最適な営農指導サービスの開発が将来的に実現され得るのだ。

「リモート農業」を実現することで、農作業請負による雇用創出、若い世代や都市部の新規就農を促進し、人手不足の解消や耕作放棄地の活用に繋がる持続性の高い生産基盤の構築が達成されるかもしれない。「スーパーシティ」実現に向けて、農業のみならず、ICT利活用が遅れている医療や教育分野においてもICT技術を活用した新規サービスの創出や事務効率化が目指される。

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