【老舗復興の秘密】海外でも人気の「マッチ型お香 hibi」と「透明醤油」を生み出した発想力とは

はじめに
日本経済は成熟期を迎え、多くの市場で商品やサービスが飽和状態にある。そんな中、企業が生き残り、成長を続けるためには、既存のプロダクトに新たな価値を付加する革新的なアイデアが求められている。まるで、料理の隠し味のように、ほんの少しの工夫や視点の転換で、平凡な商品を魅力的な存在へと変貌させる力が求められているのだ。
近年、日本国内で注目を集めているのは、まさにそのような「隠し味」を巧みに取り入れた商品たちである。 既存のプロダクトに、ちょっとした面白いアイデアを加えることで、これまでとは異なる層の顧客を開拓したり、海外市場で大きな成功を収めたりする例も少なくない。
今回は、少しのアイデアを追加したことによって見事に新たな価値を生み出した二つの商品、「hibi」と「透明醤油」に焦点を当て、その開発秘話や成功の鍵を紐解いていく。
「hibi」と「透明醤油」について
最初にご紹介するのは、お香の「hibi」。

「hibi」は、伝統的なお香のイメージを覆す、マッチ型をしたお香。 マッチのように擦って火をつけるというユニークな着火方法も、「hibi」最大の特徴である。 お香の優しい香りはもちろんのこと、この新しい着火体験が、多くの人々を魅了している。
2つ目に紹介するのは、フンドーダイが発売した「透明醤油」。
一般的な醤油のイメージを覆す、まるで水のように透き通った姿は、まさに「革命」の一言。 その斬新な見た目は、SNSを中心に大きな話題を呼んだ。 しかし、この「透明醤油」の魅力は、見た目だけにとどまらない。 素材の色を活かした美しい料理を作ることができるという実用性が最大の特徴。料理の彩りを邪魔することなく、醤油の風味をしっかりと味わえる。 そんな新しい食体験が、「透明醤油」を特別な存在にしている。
「hibi」と「透明醤油」の共通点とは?
「hibi」は、兵庫県播磨のマッチ製造会社 神戸マッチと、淡路島のお香製造会社 大発が、伝統の技と革新的なアイデアを融合させて生み出したマッチ型のお香。”日常に10分、自然のアロマを。”をコンセプトに、お香の新しい可能性を追求する中で生まれたこの商品は、伝統的な製法を守りながらも、現代のライフスタイルに合わせた新しいお香の形を提案している。
一方、「透明醤油」は、香川県小豆島で160年以上の歴史を持つ老舗醤油メーカー フンドーダイが、長年の研究開発を経て完成させた。”色を取り除く”という大胆な発想から生まれたこの商品は、醤油の概念を覆し、新たな市場を創造している。
商品開発成功のポイント
「hibi」と「透明醤油」の成功には、いくつかの共通点がある。
- 既存のプロダクトのイメージを覆す斬新なアイデア
- 高品質な素材と伝統的な製法へのこだわり
- 洗練されたデザインとパッケージ
- SNSを活用した効果的な情報発信
これらの要素が組み合わさることで、両商品は従来の顧客層だけでなく、新しい顧客層にも支持される商品へと成長した。
実際の使用感は…?
実際に「hibi」を使ってみると、その手軽さと香りの良さに驚く。個人的な体感だが、部屋に置いているだけで良い香り漂う。
マッチのように擦るだけで簡単に火がつき、その瞬間「hibi」は使う人に懐かしさを感じさせる。火をつけたら付属の台に置き、揺れる煙を見ながら10分間香りを楽しむ。香りだけでなく、火をつける体験が独特で、日常の息抜きにちょうどいい。
一方、「透明醤油」は、なんといってもその実用性に感動する。イタリアンなどの洋食への隠し味で醤油を使いたい時にとても便利で、素材の色の美しさはそのまま、料理の味をワンランクアップさせてくれる。「透明醤油」は、料理の可能性を広げてくれる、新しい調味料だ。
ヒントは、既存商品と新しいアイデアの組み合わせ
「hibi」と「透明醤油」の成功は、既存の商品にちょっとしたアイデアを加えることで、驚くほどの価値を生み出すことができることを証明している。
例えば、日本の伝統工芸品に最新のテクノロジーを組み合わせることで、新たな市場を創造することができるかもしれないし、 地域の特産品を全く異なるジャンルの商品に展開することで、地域活性化に繋がる可能性も広がる等、アイデアを形にするためには、既存の技術や知識にとらわれず、自由な発想で新しい価値を創造する視点がポイントになる。
さらに、海外市場を視野に入れることも重要である。 日本の文化や技術は、海外の消費者にとっても非常に魅力的なものであり、既存の商品を海外のニーズに合わせて改良したり、日本の魅力を発信するような商品開発を行うことで、グローバルな市場での成功も期待できるだろう。
終わりに
この記事では、既存のプロダクトに面白いアイデアを追加することで、新たな価値を生み出している日本メーカーの事例を紹介した。これらの事例は、日本企業がグローバル市場で競争力を維持するためのヒントになるのではないだろうか。
情報参照先:
- hibi|BACK STORY| (アクセス日: 2025年2月25日)
- LOCAL LINK|「感動こそ人生」~マッチ型お香「hibi 10MINUTES AROMA」開発秘話~| (アクセス日: 2025年2月25日)
- ONE STORY|日々の暮らしに溶け込む「新しい香りの楽しみ方」を提案。[hibi/兵庫県淡路市]| (アクセス日: 2025年2月25日)
- 日商ASSiST BiZ|こうしてヒット商品は生まれた! 透明醤油| (アクセス日: 2025年2月25日)
- ヒットした透明醤油秘話、開発のきっかけは透明飲料の流行| (アクセス日: 2025年2月25日)