【2025年 Arches 人気記事ランキング TOP5】注目事例から読み解く、海外市場の最新潮流!

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はじめに

2025年に掲載した記事で最も読まれた人気記事TOP5を厳選しました。今年は中国やベトナム発の企業・市場動向に注目が集まり、グローバル展開の成功戦略や新興市場の成長トレンドが多く読まれています。以下では、アジア発の企業が世界市場でどのように躍進し、何を学べるかを各記事ごとにダイジェストでご紹介します。グローバル市場調査のヒントが満載の人気記事をランキング形式でお届けします。

人気記事ダイジェスト(1位〜5位)

1位: 中国発「POP MART」は海外市場でなぜ成功したのか?

中国発のデザイナーズトイブランド「POP MART(ポップマート)」が東南アジアをはじめ世界各地で異例の成功を収めています。同社は30以上の国・地域で500超の直営店と2,300台以上の自販機を展開し、2023年売上高は約63億元(約1,323億円)に達しました。

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ブラインドボックス玩具をデザイン性の高いアートトイとしてブランディングし、若年層~大人向けのコレクター市場を開拓した戦略が国内外で功を奏し、中国国内では売上高が2年で約10倍、純利益は280倍以上に急増。さらに海外展開でも現地文化への徹底適応とローカルチームの活用を重視し、各国の消費者心理に寄り添う戦略を推進。実際タイ1号店では開店日に売上高2億円超を記録し海外店舗史上最高の出足となりました。

タイ出身のK-POPスター・リサ(BLACKPINK)がPOP MARTキャラクターをSNS投稿し現地人気に火が付くなど、現地のトレンドやインフルエンサーとの融合も成功要因となっています。グローバルプレジデントのジャスティン・ムーン氏も「各国の文化を尊重しローカルチームに権限を与えることが重要」と語っており、緻密なローカライズ戦略により海外市場でも熱狂的ファン層を獲得しています。

記事はこちら:【海外成功事例】中国発「POP MART」は海外市場でなぜ成功したのか?東南アジアに見る消費者心理とグローバル戦略とは

2位: 東南アジアで拡大する「ANTA」の勢いに迫る(中国スポーツ用品のグローバル戦略)

中国のスポーツ用品大手「ANTA(安踏)」は積極的なグローバル展開で急成長し、2024年連結売上高は約1.085兆元に達し世界第3位(ナイキ・アディダスに次ぐ)となりました。その原動力は創業者による大型M&A戦略とマルチブランド展開にあります。ANTAは中国でFILAの運営権取得(2009年)やフィンランドのAmer Sports買収(2019年)、さらに日本のデサント、ドイツのジャックウルフスキンなど海外ブランドを次々傘下に収め、“スポーツ版LVMH”を標榜するブランド帝国を築き上げました。

中国国内では市場シェア20.4%(2022年)とナイキに肉薄し、中国スポーツ市場首位を目指す勢いです。近年は東南アジアを「第2の市場」と位置付け本格展開を推進。マレーシア・フィリピンに各40店以上、シンガポール4店と店舗網を拡大し、タイにも子会社設立のうえ年内10店舗を新規開設予定。

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バンコクには大型旗艦店を開き、NBAスターのカイリー・アービングを招いた限定コレクションイベントでは数千人規模の来場者を集め現地メディアでも大きく報道されました。各国の消費者ニーズに合わせ商品展開やマーケティングを工夫し、例えばタイ市場では人気バスケットシューズを100ドル未満(ナイキのジョーダンシリーズの半額以下)に抑える価格戦略で価格に敏感な消費者の支持を獲得。この高いコストパフォーマンスとローカル適応力こそがANTAの競争優位であり、広範なブランドポートフォリオと相まって海外市場で急速に存在感を高めています。

記事はこちら:【中国スポーツ用品のグローバル戦略】東南アジアで拡大する「ANTA」の勢いに迫る

3位: ベトナム発EVメーカー「VinFast」の挑戦:グローバル市場への躍進と課題

ベトナムの新興EVメーカー「VinFast」がグローバル市場で急伸しています。2017年にベトナム最大財閥ビングループが設立した同社は、2023年8月に米ナスダック上場を果たし、取引初日に株価+255%の急騰で時価総額約850億ドル(約12兆円)に達し一躍注目されました。その後株価は変動したものの依然GMやホンダを上回る規模で、「ポストTesla」を狙う新興勢力として市場の期待を集めています。VinFastは2020年代に入り海外生産・販売網の構築を加速しており、米ノースカロライナ州に約20億ドル投じ年間20万台規模のEV工場建設を計画(雇用創出7000人規模)するなど大型投資を敢行。ベトナム企業として初めて電気SUV「VF8」を米国に輸出(2022年11月)し、欧州主要国にも販売拠点を開設するなどグローバル展開を進めています。

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2025年までに年産50万台という野心的目標を掲げ、世界生産台数110万台のマツダ(2022年)のおよそ半分に相当する規模を目指す計画です。また他社にないバッテリー分離型のサブスクリプション販売を導入し、車体とバッテリーを別売りにすることでEV購入時の初期費用を約3割削減可能とし話題になりました。

一方で課題も顕在化しています。2023年には販売台数の70%以上を創業者が設立したタクシー会社Xanh SM社向けが占め、グループ内需要なしでは売上が立たない状況が明らかとなっています。巨額投資による急拡大の裏で赤字も拡大中で、2024年第2四半期の純損失は前年同期5億2580万ドルから7億7200万ドルへ拡大し依然収益化に至っていません。それでも北米・欧州だけでなく中東やインドネシアなど新市場への参入を強行しており、親会社の強力な資金力と過去の多角経営の成功を背景に「ハイリスク・ハイリターン」の挑戦を続けています。新興国メーカーが世界で戦う難しさと、それでも突破しようとする戦略眼を示すケースと言えるでしょう。

記事はこちら:【海外成功事例】ベトナム発EVメーカー「VinFast」の挑戦:グローバル市場への躍進と課題

4位: 中国生成AI市場 最前線:「DeepSeek」だけじゃない!? 主要プレイヤー動向と日本企業への影響とは

生成AI(Generative AI)の分野で中国市場が急速に台頭しています。2025年初頭、中国杭州発のスタートアップが開発したチャットボット「DeepSeek-R1」は、OpenAIやMetaの最先端モデルに匹敵する性能を持ちながら学習コストわずか約600万ドルという低コストを実現し、公開後わずか数日で1億人超のユーザーを獲得する快進撃を見せました。この登場は業界に衝撃を与え、DeepSeek公開直後にはNvidia株が過去最大の下落を記録しナスダック全体で1兆ドル超の時価総額が吹き飛ぶなど、中国が生成AI分野で米国に急速に迫っている現実を示しました。

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中国政府もAIを国家戦略と位置付け巨額投資と規制整備を進めており、その結果2024年末までに中国国内で少なくとも302件の生成AIサービスが届け出・認可されました(うち105件は正式登録済み)。ユーザー基盤の広がりも著しく、2025年2月時点で中国の生成AIユーザー数は2.5億人超との報道もあり、ビジネスから日常生活まで急速に浸透しています。背景には中国語圏ならではの巨大なデータ資源と政府主導のデジタル化推進によるインフラ整備があり、中国発の生成AIブームを支えています。

さらにDeepSeekに代表される低コスト・高効率モデル設計の革新も普及を後押ししています。米国などが莫大な演算資源を投じるのに対し、中国勢は工夫と最適化で「少ない計算量で同等の性能」を発揮し、新興国でも手が届く安価なAIソリューションを可能にしました。実際、OpenAIのサム・アルトマンCEOも「その低コストアプローチは印象的だ」と評価しており、資源勝負とは異なる中国流イノベーションが世界的に注目されています。生成AI市場の創出において中国は巨大なエコシステムの中心となりつつあり、日本企業にとっても人材流動や競争環境に影響を及ぼす可能性が高まっています。

記事はこちら:【中国生成AI市場 最前線】「DeepSeek」だけじゃない!?主要プレイヤー動向と日本企業への影響とは?

5位: 急成長するベトナムのアパレル市場:最新動向と未来予測

「世界の工場」から「新興消費市場」へと進化するベトナムのアパレル産業にスポットを当てた記事です。ベトナムのアパレル市場は年平均成長率8%と急成長を続けており、依然として欧米や日本など先進国向けの主要生産拠点です。2022年のアパレル輸出総額は440億ドル超(前年比+10%)に達し、例えばNikeのシューズ生産では中国を抜き世界最大の生産国となり、Adidasも総生産量の42%をベトナムが占めるなど、世界の衣料供給を支える「縫製大国」の地位を確立しています。

一方で近年は経済発展による中間層台頭で国内消費も拡大し始め、ユニクロ、ZARA、H&Mなど多数の大手アパレルチェーンが続々進出してベトナムは有望な消費市場へと変貌しつつあります。実際、東南アジアで最もEコマース市場が発達しており、年間売上高は100億ドル超から2025年までに430億ドル規模に拡大見込みとされます。人口も2024年時点で約1億人(毎年80万人増)に達し、若年層人口の増加でアパレル需要の将来性は明るいといえます。

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ただし課題もあり、多くのベトナム人消費者は「外国ブランド志向」が強く、海外製品は国内製より品質が上と考える傾向があります。そのため価格が2~3倍しても外国製品を選ぶケースが多く、国内アパレル企業は家族経営が主流でトレンド対応のスピードも遅いため競争力が劣ります。今後、「ベトナム製品は負けていない」という意識改革と国内ブランド育成が進めば、市場構造は大きく様相を変える可能性があります。生産拠点から消費大国へ移行するベトナム市場は、新興国での消費トレンド転換とそれに伴う課題を示す好例となっています。

記事はこちら:【海外市場調査】急成長するベトナムのアパレル市場:最新動向と未来予測

人気記事に共通する海外市場の成功パターン

今回ご紹介したトップ5記事には、グローバル市場で勝ち抜くための共通する戦略パターンが浮かび上がります。

現地適応とブランディングの妙

 POP MARTやANTAの事例からは、各国の文化や嗜好に合わせたローカライズ戦略と、自社ブランド価値の巧みな打ち出しがグローバル成功のカギであることが示唆されます。現地の消費者インサイトを捉え、「自国発」ブランドを現地で愛される存在に変えることが重要です。

製造インフラと海外展開の課題

VinFastのケースは、新興メーカーが世界展開で直面する製造拠点構築や販売網整備の難しさを物語っています。大量生産体制や大規模投資でスピード参入を図る一方、収益化や現地での販売力強化などオペレーション面の課題を克服する必要性が強調されました。

技術革新による市場創造

中国の生成AI市場の急成長は、技術革新が新たな市場を創り出す原動力であることを示しています。高効率・低コストなイノベーションによって一気にユーザー層を拡大し、国家戦略とも相まって新市場を短期間でエコシステムごと築くダイナミズムが描かれました。先端テクノロジーへの大胆な投資と実用化が競争優位を生む例と言えます。

成長市場へのシフトと消費者動向

ベトナムのアパレル市場に見られるように、従来は「世界の工場」だった国が自国の巨大消費市場へと変貌するケースが増えています。人口構造の変化や所得向上に伴い、消費者の志向や価値観も移り変わるため、企業は現地消費者のニーズ変化に俊敏に対応し、ブランド戦略を刷新する必要があります。

まとめ

以上のように、各記事から得られる知見は多岐にわたりますが、共通しているのは「グローバル×ローカル」の視点です。世界規模の視野を持ちながら、各市場の文化・ニーズに合わせた戦略を取ることが成功の鍵となっています。2025年に人気を集めたこれらの記事は、まさにそうしたポイントを具体的な事例から学べる内容です。本文中のリンクから、各記事の事例の背景や文脈まで含めて読み進めていただけますので、ぜひご覧ください。

おわりに——編集部からのひとこと

2025年は、中国やベトナムをはじめとする新興国企業が、従来の「追随者」ではなく「市場を動かす側」として存在感を強めた一年でした。ブランド、製造、テクノロジー、消費市場のいずれにおいても、アジア発のプレイヤーが世界の競争構造を書き換えつつあります。

Arches編集部としても、今年はアジア市場が今まさに動いている現実の競争領域であることを、数多くの取材と調査を通じて実感した一年でした。本ランキング記事が、皆さまにとって海外市場をより身近に捉え直すきっかけになれば幸いです。

この記事を書いた人

Aizawa

記事編集クリエイター

大学時代にアメリカへの留学を経験し、その際に異文化への関心が一層深まりました。
現在も海外のライフスタイルに強い興味を持ち、特に北欧やフランスの生活文化をウォッチしています。
これからも読者の皆様に面白い話題を提供できるよう心がけて参ります!

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